岩手県ロケ紀行 Vol.1〜五月の東北は美しい〜
五月半ば、岩手県宮古市周辺に工場を持つ会社のパンフレット撮影に行くことになった。
宮古市?googleで調べるとまさしく沿岸部ではないか。現地の様子に不安を抱きながら東京を発った。
盛岡まで新幹線で行き、それからは2両編成の小さな電車山田線に乗換え一路宮古駅へ。
約2時間電車に揺られることになる。走り始めてまもなく、電車はカーブに差し掛かり右へ左へ大きく揺れると思ったら、今度は断続的にトンネルをくぐる。途中大小の川を渡りながら列車はさらに深い森へ吸い込まれていった。
窓からはキラキラと陽の光が差し込み、同時に眩い緑が目に突き刺さる。時より赤や黄色の花々が見える。ガタンゴトンと揺られながらトンネルに入り、抜けると鮮やかな光景が視界に広がる、そしてそれが何度も繰り返される。「ここは何処?」まるで映画の世界に入ってしまったように自分がどこにいるのかわからなくなりそうだった。
岩手県と聞いて、こんなに深く鮮やかな山々が続いているとは想いもしなかった。これは何とも美しい。ただあるだけで素晴らしい世界に驚かされた旅の始まりだった。
しかし宮古駅に着くと思ってもみない世界が待っていた。
<続く>