岩手ロケ紀行Vol.3〜明日へ咲く花〜
翌日も撮影の仕事を終えた後、被災現場の様子を案内して頂いた。
ピラミッドのようにうず高く積まれたがれきや船の残骸、壊れた防波堤など
どれも言葉を飲み込んでしまう光景ばかりだった。
それでも港に行くと、到着したばかりの漁船から魚が水揚げされ、それを狙って
ウミネコやカラスが群がっていた。漁師さんたちは忙しそうに作業を続ける。
はじめて人の活気を感じた。
港の帰りに津波の被害で廃校になった小学校の校庭に入った。
そこはすこし高台になっていて壊れた港の様子やがれきの山が一望できる。
そこで目についたのが、チューリップ。桜の木の下で一輪だけ健気に咲いていた。
地元の方は「昨年咲いていた花の種が残っていて、それが自然に咲いたのでしょう」。
その姿がとても立派に感じられて、被災地の“生きる力”を実感しました。
今回被災地を見て、東北の多くの地域が未だ大変な状況だと想像できた。
とりわけ福島は放射能問題でどんなに苦しいことか。
それでも少しずつ前へ。困難もたくさんあると思うが、改めて復興を心より願いたい。
<了>